断決
たかまつなおき
そんなに驚いた顔をしないで きっと大したことじゃない
これまで自分が紡いできた歌が ようやく本物になろうとしている
人生には 自分自身の力で何とかできることと
自分ではどうにもならないことの 二つしかないと思ってた
さっきは「大したことじゃない」なんて 軽く言ってはみたけれど
本当は心からそう思えるまで それなりに時間が必要だった
自分の気持ちひとつのことでも 勝手に自分で蓋をして
自分にはどうにもできないことだと 言い訳をする癖がついてた
決めて断つのは簡単なことだが 断つって決めるのは簡単じゃなかった
それでも一度決めたなら前に進むだけだし
もうひとつ 夢を掴みに行くんだ
これから踏み込む まだ見ぬ世界は どんな色をしているのか分からない
赤なのか青なのか そもそも色が着いてないってこともあるだろう
いずれにしても そこにある色を確かめに行くつもりはない
自分が歩いた跡に色が着くんだ それが何色でも構わない
「今がそのとき」「やるかやらねえかだ」
「幾つになっても新しい景色が観たい」
だから「今という一瞬を精一杯生きよう」
「遅すぎるなんてことはないから」
決めて断つのは簡単なことだが 断つって決めるのは簡単じゃなかった
それでも一度決めたなら前に進むだけだし もう一度 夢を掴みに行くんだ
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拙曲、「断決」の歌詞、色を着けている部分は、この度書き改めた個所。
初披露は、2022年3月26日、岡本主任との定例ツーマンの日だった。
あのときは、24年間立ち続けた教壇を降りることを初めて告げた。
それが一度目の断決。
あのときは、二番の歌詞が「白なのか黒なのか」だった。
その後に「色が着いてない」って言葉が続く。
モノクロームはともすれば「色のない世界」で、歌詞に矛盾を感じなくもないが。
あのときは「人生の勝ち負け」ということを意識していたと思う。
それが「白黒」という言葉選びに繋がった。
あれから一年半が経ち、勝ったのか負けたのかは分からない。
今思えば、あの時は、背負って来た物を肩から降ろすための決断だったのに。
勝手にまた新たなものを自分で背負い込もうとしていたような気もする。
そしてこの度、二度目の断決。
30年間暮らしてきた神奈川県を離れるにあたって、自分の世界に少し色が広がった。
それが「赤なのか青なのか」という表現に繋がった。
色にはそれぞれ象徴する言葉や意味があるけど、ここではそこは問題にしていない。
強いて言えば、自分の好きな色ということかな?
いっときは赤が好きで、何でも赤に揃えていたけど、今は青の方が好き。
赤には政治的な意味合いが含まれることもあるけど、ここでは無関係。
そして最後に、夢を掴みにいくところの行。
一番で「もうひとつ」と歌ったところを、「もう一度」と言い換えることにした。
(先日のライブでは、2番の最後の行と混同してちゃんと歌えなかった(笑))
それが、今回の新たな想い。
これもまた、書ける時が来たら、言葉にして残してみたい。
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