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親父の夢

  • 執筆者の写真: たかまつなおき
    たかまつなおき
  • 2023年7月26日
  • 読了時間: 4分

久しぶりに親父の夢を見た。

不思議な夢だった。

夢っていうものはいつだって不思議なものなのだがしかし。

今朝の不思議さは格別だった。


それは、二度寝した時、ほんの僅かな時間に訪れた。


重篤な病で入院していた親父が、いよいよ危ないと言う報せを受けて。

病棟に向かう。

集中治療室のはずなのに、その部屋の外観は随分とポップだった。

(そもそも自分は集中治療室を見たことがない)


ずっと意識不明だった親父の手を握り締めてみた。

ドラマや映画なんかでよく見るアレ。

そんな気恥ずかしいこと、まさか自分がやるなんて思わなかった。


だって、親父は自分が小5、11歳のとき、不慮の事故で飛んで行ったのだから。

自分が学校に行っている最中に、親父は死んだ。

朝、元気に家を出て行ったはずなのに。


午後、帰りの会の前に担任に呼び出された。

「お父さんが病院に入った」と。

そして、担任の車に乗せられて、帰宅した。 (担任の自家用車に児童を乗せるなど、今ではあり得ないが、それは時代と地域性)


ほどなくして帰宅した親父は、既に亡骸。

変わり果てた…とまでは言わないが、明らかにそれは遺体。

葬儀はもちろん、荼毘に付す瞬間にも立ち会ったし、骨も拾った。

あの時、間違いなく親父の肉体はこの世を去った。


だけど、その後、幾度となく親父の夢を見た。

親父は、肉体を失ったままの姿で。

そして、自分はそれなりに年を重ねた姿で。

会ったときは、「久しぶり」なんて気楽な感じで。

話の内容までは覚えていないけど。

親父が死んでいることは認識しつつも、こうして会うのは当たり前のような感じで。

何の違和感もなく二人で過ごしていた。


自分が成人する頃には、再会の場所は、薄暗い飲み屋の片隅が定番だった。

酒の飲めなかった親父だが、息子と杯を交わすことを楽しみにしていたに違いない。


その前だったか後ろだったか記憶は定かではないのだが。

何時の頃からか、親父は死んだのではなく、ちょっと離れた場所で暮らしていると。

そして、たまに思い出したころに顔を見せる。

そんな感覚になっていた。


改めて確認しておくけど、これは全部夢の話。

たまに見る夢が、途切れ途切れにも関わらず、全部繋がっているような感じ。


夢の中での再会で、どんな話をしたかは覚えていない。

きっと、たわいもないこと、くだらないことに違いない。

だけど、いつしか、親父の夢を見ることはなくなった。


そのきっかけは2012年8月のこと。

お袋を連れて、四半世紀ぶりに親父の故郷を訪れたとき。

不思議な現象があり、そのことがあまりに強烈で自分は歌を作った。

タイトルは、「邂逅・回帰、水先案内人」


その歌は、「もう心配なないと」という言葉で終わる。

親父に向けて放った言葉だ。


それから久しく、親父の夢を見ていなかったのにも関わらず。

その親父の夢を久しぶりに見たのだった。


思い当たるとするならば、先日、7月16日のライブで。

数年ぶりにこの歌を唄ったこと。

そして当時の安定した立場を投げ捨てた今の暮らし。

心配した親父殿を再び呼び戻してしまったのかも知れない。


で、冒頭の夢のシーンに戻る。

意識不明の親父の右手を握った俺。

想像以上に分厚く、温かかった。

ほどなくして、親父が「なおちゃんか」と呟いた。

幼少期、末っ子の自分は家族から「なおちゃん」と呼ばれていた。

もう、今にも危ないと言われていた親父が、みるみる意識を取り戻す。


今の自分の姿を見て、「頭、白うなったな」なんて言う。

ちゃんと見えているらしい。

「うん、立派に白うなったんでよ」

と、淡々と返す自分。

親父がもっと側に来いと言ったところで夢から覚めた。


夢から覚めて思い出した。

自分はこの夢を、ここ最近ずっと観ていた。

はっきりとはしないが、親父が病に伏せている夢はこれが最初じゃない。

だからほんの僅かの間に観た今回の夢にも違和感がなかった。


すっかり成仏したから、もう夢に出てこないと思っていたのに。

今の自分の暮らしに心配かけてしまったかな?

それとも、自分の深層心理が親父の姿を求めてしまったのか。

いずれにしても、不思議な夢だったのだけど、嫌な気持ちはしない。


そして、この夢を見て、自分はまた一つ、決意を新たにするんだ。


写真は、その親父と幼少期の自分。

恐らく撮影者の母であろう指の写っている、怪しいのを敢えてアップ(笑)

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